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はこだて散歩日和(パッチワーク日和)

布の記憶

=布の記憶= 堀切辰一著 2003年2月発行
この本は田辺聖子さんのエッセイで知りました。
北九州市立歴史博物館に「堀切コレクション」として自身が集めた
着物や野良着が約2500点収蔵されています。

CIMG3453.jpg

下の写真は「はんてん」です。
野良着・女性用・木綿布・昭和初期・鹿児島県

本の中では堀切さんが、使っていた人から聞いたお話が載っています。
背中の薄くなったところは、子供をおぶって出来た跡で
裾の方のキズは、子供がむずがって背中を蹴っでできたのもです。
農繁期になれば 乳児が泣きわめいても 乳をやる暇さえない暮らしでしょう。

おむつもその都度取り換える暇もなく 排泄したのもを多く吸い込むように
複数の布を重ねて刺し子をして作りました。

CIMG3459.jpg

これは綿の入っていない布団です。
昭和初期・九州地方で使われていたものです。

布として使い道がない「ボロ」を何枚も重ねて刺しています。
特別に貧困な家ばかりでなく 戦前の農漁村や都市部の労働者の家では
普通だったそうです。

CIMG3458.jpg

寄せ縫い半襦袢 外出用 明治時代 近畿地方
「え~~っ外出用???」だんだん本を見るのが辛くなります。
パッチワークをするのに可愛い布に鋏を入れている場合じゃないです。

CIMG3456.jpg

継ぎ当てだらけの腰巻
下着・木綿布・女物・昭和初期・福岡県筑後地方

堀切さんの文章から 
「底辺に生きた人々の暮らしを知りたくて集めたのですが 
今の時代の「心の貧しさ」が全く感じられない。
針目が綺麗で 丁寧に洗濯をして保管されいた。」と。

CIMG3457.jpg
この様な木綿の布は、今は織る人がいないので貴重品(高価)です。
私より一回りほど先輩の方が お母様のために「袋物」を作ったそうです。
ところがお母様は喜びませんでした。
「あなた達に使ったおむつを思い出すわ」5人の子供を育て
今生きていれば100歳は超えています。
この本を見て 彼女のお母さまの言葉を思い出しました。
(注:彼女の家は貧乏な家ではありません お父様は大手企業勤務でした
この時代の人は物を大切に、最後まで使ったのでしょう)
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コメントコメント


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貧しくても丁寧に暮らしていたのでしょうか。
でも、貧しく忙しい生活は悲しく思えます。つらいです。

きたあかり | URL | 2017/12/01 (Fri) 18:46 [編集]


Re: タイトルなし

きたあかりさんコメントを有難うございます。
あかりさんの仰る通り私も悲しかったです。
これが100年も前ではなくて 戦前・戦後の
ついこないだの話なのですよね!

tugumi365 | URL | 2017/12/01 (Fri) 18:56 [編集]


布の記憶

背中の擦り切れた『はんてん』
当時の暮らしぶりが想像できますね...

使い道がない「ボロ」を何枚も重ねて、また利用する...
そこまでする必要があったのですね。

pil | URL | 2017/12/01 (Fri) 21:08 [編集]


Re: 布の記憶

pilさんコメントを有難うございます。
そこまでしなければならないと云う生活だったんですね。
今のモノが溢れる時代からは、想像できませんね。
昼間は畑仕事で疲れているのに 夜なべして繕った、
はんてんやおむつは針目が丁寧であったと書いていました。


tugumi365 | URL | 2017/12/02 (Sat) 08:00 [編集]


こういうのって良いですね。
布きれ一枚一枚に優しい針目。
子供を背負って擦り切れた跡・・
なんかジーンと来ます。

布遊子 | URL | 2017/12/02 (Sat) 09:17 [編集]


Re: タイトルなし

布遊子さんコメントを有難うございます。
先日はリメイクした作品と思ってコメントしました。
失礼しました!!
この本に出合って良かったです。
時代を超えても「ひと針ひと針」の針目が
感動をくれますね。パッチワークをするきっかけも
まだ着られる洋服をどう活用しようか?でした。

tugumi365 | URL | 2017/12/02 (Sat) 10:28 [編集]


こんばんは
物を大切にする原点を見た気がします。
みんなが貧しくて、当たり前の時代だったのでしょうね。
こんな中にも
親の愛情なり、物に対する愛情を感じます。
断捨離だなんて恥ずかしい気がします。

いとこいさん | URL | 2017/12/02 (Sat) 23:09 [編集]


Re: タイトルなし

いとこいさんコメントを有難うございます。
お母様に袋物を作った方も 物のない時代に育ったので
とても「断捨離」は出来ないと言っていました。
=物を大切にする原点=と言って頂き嬉しいです!!
私も初めは着た洋服で 3枚のベットカバーを作りました。
だんだん買った布で作るようになり この本のお陰で
初心に帰るきっかけを貰いました。

tugumi365 | URL | 2017/12/03 (Sun) 08:54 [編集]


はんてん、なつかしいですね!

いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。

それにしても「はんてん」、なつかしいですね!

どてらとかはんてんという言葉自体「知らない」という若い皆様も増えてきたようにも感じられますが、
日本の伝統的な「もったいない」とか「どんなモノにも神様が宿る」とか「使い古したものでも大切にしよう」みたいな気持ちが今現在でもこうやって伝わってくるのは
とても素敵なことだと思います。

ぬくぬく先生 | URL | 2017/12/05 (Tue) 08:58 [編集]


Re: はんてん、なつかしいですね!

ぬくぬく先生コメントを有難うございます。
ぬくぬく先生のブログを読んでいると 同じ年代だと思っています。
「もったいない」「どんなモノにでも神様が宿る」親からの教育だったと思います。
針目のひと針にも 世代を超えて伝える力があると思いました。

tugumi365 | URL | 2017/12/05 (Tue) 18:29 [編集]


☘️布の記憶☘️

物を大切にしてきた昔の人々の事を知り、自分の頭をポカポカ叩きたくなりました。昔も今も、一日24時間なのに、落ち着いて物事に取り組めていない自分を反省です>_<

それにしても、布を継いだ着物、特に藍染の着物は、まるで海の中のような、深い色合いに、心が動きました。

はこやん | URL | 2017/12/09 (Sat) 16:20 [編集]


Re: ☘️布の記憶☘️

はこやんさんコメントを有難うございます。
ぼろを繋げた物ですが 私には芸術作品にしか見えません。
はこやんさんは落ち着いて、物事に取り組めていないのですか?
子供たちに教えると云うことは とっても意味があると思いますが。

tugumi365 | URL | 2017/12/09 (Sat) 18:24 [編集]