はこだて散歩日和(パッチワーク日和)

宇梶静江さんの本

アイヌに関しての学術的な本は 沢山あると思いますが
この本一冊で おおよその生活の歴史が分かります。

=すべてを明日の糧として=宇梶静江著(2011年6月初版第一刷)
CIMG1513.jpg

お名前の通り 俳優の宇梶剛士さんのお母さんです。
1933年(昭和8年)生れ、この方が育った頃が 
アイヌの子供が育つ一番つらい時期かと思います。

貧しすぎる生活を経て 20歳になったころに お母さんからお嫁に行く年だと言われます。
静江さんはもっと勉強する為に中学に行きたいと言います。
貧しいながらもお兄さんが 背中を押します。
”忙しくなると野良仕事に駆り出されるから 札幌の学校へ行け 勉強して
学校の先生になってくれ”ところが卒業してもアイヌを理由に 就職出来ませんでした。
その頃の話ですが 北海道大学の児玉教授に アイヌの着物を着せられ 学生の前で
その姿を晒されました。あろうことか新聞社の記者を呼んで この貧しい少女を
経済的に援助している記事を書かせます。タイトルは”愛の学費”。

1982年衝撃的な事件がマスコミを賑わせました。
1939年から1956年にかけて 学術研究の目的のためにアイヌの墓を掘り起こします。 
その時の、1004体の人骨が北大の標本陳列棚で発見されます。
それも遺族に無断で 警察を呼んでアイヌを墓に近寄らせないようにして・・・。
これを主導した人が 児玉教授です。
児玉コレクションは函館市北方民族資料館に収蔵されています。

就職出来ない静江さんは東京に出ます。
宇梶さんと結婚して その両親も彼女を大切にしてくれます。

ところが故郷浦河町から静江さんを頼って子供たちがたくさん来ます。
故郷にいても 貧乏の連鎖しかなくて都会に働きに来た子供たちです。
その子供たちの面倒を見ながら 1972年(昭和47年)
朝日新聞に自分がアイヌであることをカミングアウトした投書をします。

63歳でウタリ協会の職業訓練校に通いアイヌ刺しゅうの基本をマスター
元の着物の柄が分からないくらい ツギを当てた着物を着た時の技術(?)もあって
下記の絵本を発行しました。
CIMG1508.jpg

シマフクロウの目力が凄いと思いませんか?
布と刺繍糸で表現されていますが 誰も真似のできない作品だと思います。
CIMG1511.jpg

蝉の羽の部分が圧巻です。
(レースのように見えるアイヌ刺しゅうの技術です)
CIMG1509.jpg

CIMG1510.jpg

=児玉コレクションの冒頭に書かれています=
敗戦後 札幌の古物商の店先には 沢山のアイヌの商品が アメリカ人相手に売られていて
この重要な資料の海外流出を恐れて 個人で買い取っていました。
CIMG1515.jpg
最後に宇梶さんの本は 今いじめに会っている子供にも読んで欲しいです。
”私が生まれた意味がある”と励ましてくれる本ですヨ!!
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コメントコメント


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絵本

布と刺繍糸で、これだけ繊細に!
フクロウもサケも蝉も、どれも力強さ、生命力のようなものを感じます。
蝉の羽の透ける感じ。素晴らしいです。

pil | URL | 2017/01/19 (Thu) 03:08 [編集]


その頃の人たちが、一番つらい時期だったのかもしれませんね。アイヌの人ばかりでなく、日本人も辛い時代だったことでしょう。
それでも耐えて耐えて、今日があるんですね。絶対に諦めない。そういう精神が肝要かと。

AzTak | URL | 2017/01/19 (Thu) 06:44 [編集]


Re: 絵本

pilさんコメントを有難うございます。
布絵本からだけでも その繊細さが伝わってきました。
北海道の襟裳岬の近くの町に 
静江さんの出身の浦河町(うらかわ)が、あります。
14年位前に偶然ですが浦河町の図書館に行ったことがあります。
綺麗な大きな建物で 宇梶さんの作品が沢山飾っていました。
その時には知りませんでしたが 俳優の宇梶剛士さんのお名前と同じだったので
よく覚えていましたが、パッチワークの作品やアップリケの作品が 
凄く圧巻だったのを記憶しています。


tugumi365 | URL | 2017/01/19 (Thu) 09:13 [編集]


Re: タイトルなし

AzTakさんコメントを有難うございます。
そうですね 日本人もつらい時代だったでしょうね。
夫は昭和23年生まれで 父の転勤で 釧路・網走で育ちました。
学校にはアイヌの子供達もいて アイヌを馬鹿にする子供は居なかったそうです。
この話を聞いて 私は安心しました。
仰る通り、静江さんは諦めない方です。この本に出合って良かったです。

tugumi365 | URL | 2017/01/19 (Thu) 09:19 [編集]


「すべてを明日の糧として」「シマフクロウとサケ」「セミ神様のお告げ」、図書館に予約手続きをしていて、受け取り可になったので、近々、手に取れるようです。
「すべてを明日の糧として」はツライ内容のようですね。でも、しっかりと読もうと思います。児玉教授のこともちゃんと。

きたあかり | URL | 2017/01/19 (Thu) 19:20 [編集]


Re: タイトルなし

きたあかりさんコメントを有難うございます。
静江さんの生きた時代が 辛すぎたと思いました。
書こうとする ”切り口” この前のあかりさんの言葉じゃないけど・・・(笑)。
そこをどう書こうかでした。読んでみてまた違う切り口で あかりさんの感想を
教えてください。

tugumi365 | URL | 2017/01/19 (Thu) 19:52 [編集]


「すべてを明日の糧として」、読了し、記事にしてみました。うまく書けませんでしたが。う~ん。

静江さん、ツライ前半生だったからこそ、すべてを明日の糧に、と言える強さを持てたのでしょうか。本当に強い女性ですね。アタシは、風当たりが強くなりそうなのを避ける傾向にありますが、主張するべきことは主張しないとダメですね。
tugumi365さんがおっしゃる通り、いじめにあっている子に読んでほしい本ですね。いじめている子にも読んでほしいです(´・ω・`)

きたあかり | URL | 2017/01/22 (Sun) 11:17 [編集]


Re: タイトルなし

きたあかりさんコメントを有難うございます。
ブログにお邪魔して読まさせて頂きましたよ~。
きたあかりさんの気持ちが伝わってきます。
本当に 今いじめで悩んでいる子に読んで欲しいですね!!

tugumi365 | URL | 2017/01/22 (Sun) 11:43 [編集]


🐿宇梶静江さんの著書🐿

新しい本のご紹介ありがとうございます😊早速読ませていただきました
同じ日本の中での異文化、それも素晴らしい文化がある事を知りました
北海道から離れて暮らす私の町ではほとんどアイヌの方々の事が語られる機会はないように思います。親しい友人には話しますが😊
函館に行くたびに、児玉コレクションという言葉をよく見聞きしますが今度からはまた違った見方になりそうです。絵本も、海外のものとは全く違う、日本独自というよりもアイヌ文化ならではの逸品と言える気がしました(*^^*)私感ですが😊
また本のご紹介、楽しみにしています(╹◡╹)

はこやん | URL | 2017/01/22 (Sun) 13:26 [編集]


Re: 🐿宇梶静江さんの著書🐿

はこやんさんコメントを有難うございます。
もう読んでくれたのですか?有難うございます。嬉しいです!!
こんな歴史があったことを 知って欲しくてブログに載せました。
函館市北方民族資料館には 児玉コレクションの他に
馬場コレクションもあります。こちらの先生も私費を投じて アイヌの資料を収集してくれました。

tugumi365 | URL | 2017/01/22 (Sun) 17:46 [編集]