佐渡の旅に持って行った本の紹介です。
「はこだて櫻珈琲舎」篠田真由美著 カバーイラストは岩崎陽子
自費出版の文庫本です。
写真では良く見えませんがこの「カバーイラスト」にも意味があります。

函館を舞台にした小説ですが・・・あえて【箱館市】として物語が進んでいきます。
野々村奈緒子19歳は大学を落ちて 家庭内にも居場所がなくて
(2年前に母を亡くし 継父とその再婚相手との4人暮らし)
小さいときに住んでいた箱館に旅行に来ました。
シングルマザーの母が働いている時に「櫻珈琲舎」をしていた内藤ゆきさんが
小学校に上がる前まで奈緒子の面倒を見てくれていて
一緒に住んでいた喫茶店を尋ねました。
ところが内藤ゆきさんはすでに亡くなっていて喫茶店は
この表紙の男性がマスターをしていました。
作者の篠田真由美さんは函館の方ではありませんが
実名で今もあるカフェなどのお店や 函館ではメジャーな方言
函館戦争の時の事など とても詳しく調べていて 私は楽しく読みました。
物語の「櫻珈琲舎」は
=幸坂を登って行く途中 坂の右手に「旧ロシア領事館」があり
行く手に「神社の鳥居が見えたら」階段手前の路地を右に入ると
枝垂桜の樹と洋風の二階建ての建物があります=と書かれています。
それで現場検証に行きました(物好きな私!)。
幸坂は函館市電「大町」と「函館どっく前」の中間にある坂です。
(見える建物は 旧・函館信用金庫・弁天支店です)

幸坂から見上げた坂です。

登り切った坂の上には「山上大神宮」がありました。

山上大神宮から港を見た所ですが かなり急こう配の坂です。

鳥居の階段の手前には「小路」はありませんでしたが
近くにとっても古い長屋がありました。
(ここが「櫻珈琲舎」の舞台になった所と想像します)

こちらの素敵な建物は「旧ロシア領事館」です。
建ったのは1908年(明治41年)今年で112年です。
ご覧の通りとても古くて 耐震補強工事もしなければなりません。
函館市はそのお金がなくて今年2020年2月に
民間に売却すると発表しました。
さらに”20年間は転売しないように”との条件付きです。

この場所は函館山の端っこで 観光客は来ない所です。
多額の補修費を掛けて
それに見合うだけの商売があるのかしら?と私は思います。
8つの市民団体が「売却反対」の要望書を函館市に提出しています。
読みやすいよう短い文章を心掛けていますが 長くなりました。
最後まで読んで頂き有難うございました。