はこだて散歩日和(パッチワーク日和)

紙コップのオリオン


紙コップのオリオン 市川朔久子著  2013年8月19日 第一刷発行
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主人公の橘論里(たちばなろんり)は中学校2年生の男子。
母と血の繋がらない父(母より4歳年下)と小学2年生の妹有里(あり)の4人暮らし。
ある日学校から帰ると 母が書置きを残していなくなっていました。

母不在のまま 楽天的な父と妹と何とか生活を送ってゆきます。
(普通なら大事件だと思うのですが・・・・)
学校では創立20周年記念の行事の係をやらされる羽目に・・・。

母の旅行先からのブログでその土地の桜の風景・花・星空の写真と
母の短い文章が載せられています。

記念行事に向けて先輩や同級生達との関係が 
初めはめんどくさいと思っていた論里ですが・・。
母の星空の写真をヒントに校庭に紙コップで作ったキャンドルナイトを提案します。
そこから一気に物語が盛り上がりました。
人間は一人では生きられない事を学んでゆくストーリーです。

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いつもの散歩道にある図書室は 歴史小説や東野圭吾などの本が多くて
(きっとリクエストする人の好みになっているのかしら?)
私が選べる本が少ないです(借りてきて読み始めたら前にも借りていた事が多いです)。
受付の親切で笑顔が可愛いお姉さんに
『読み終わった後に心がほっこりする本が読みたい』とお願いしたら
いろんなジャンルから4冊ほど選んでくれました。
この本は ”児童図書”ですが、最後まで楽しめる内容でした。

こちらの施設の窓口では”乾燥リンゴ”を売っています。
障がい者授産施設”ぽぽろ館”で作られている乾燥リンゴは 
七飯町のリンゴのみを使っています。
リンゴの香りがして美味しいですよ。
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アイ ラブ レター

I love letter(アイラブレター)あさのあつこ著 2016年9月15日第一刷発行
誰かに手紙を書きたくなる事がありませんか?そんな人におススメの本です。
(この表紙が素敵で借りました)
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引きこもりになって半年の17歳の岳彦は、
母の妹のむつみさんの会社で働くことになりました。
会社名はILL(I love letter の略)と云う文通をする会社です。
スタッフは2名ですが 文通相手のお客様に合わせて
便せんや封筒を選んで返事を書きます。

会員制で年会費を納めると 会員は自分のペースで
ILLの社員宛に手紙を書いて出します。

全く会ったことがない相手ですが その方の手紙に合わせて
内容も個人的なことに踏み込まないように 
また親身なんだけど押しつけがましくなくと、返事を書きます。
引きこもりの岳彦は 目の前に人がいない事もあって
だんだん仕事に面白さを感じ始めました。

小説は五つの手紙の話で構成されていますが
どの手紙も一筋縄ではいかない ワケありの手紙ばかりで 
私ものんびり読んでいられません(笑)。
さすがに あさのあつこさん最後のどんでん返しが 面白かったです。

友達のSちゃんと散歩していて 明治館に入りました。
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旧函館郵便局のレンガ造りの建物です。
函館が赤レンガ倉庫群としてブームの先駆けとなった建物です。
(これがきっかけで東京のメディアなどから注目されます)
ガラス工芸品や土産物を売っている ショッピングモールになっています。

二階からの眺めです。
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この日は 手回しオルガンの演奏会をしていました。
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オルガンの優しい音色が ホールに溶け込んでいました。
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宇江佐真理さんの本


私は時代小説を好んで読みません。道具や言葉が今の時代に馴染みが無いからです。
宇江佐真理さんは函館生まれ そして函館で時代小説を書いていましたが
2015年11月に満66歳で亡くなりました。

今回は遺作になった”うめ婆行状記"を読みました。
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北町奉行所同心の夫を亡くした、商家出のうめは
『僅かな日々でも好きなように生きたい』と気ままな独り暮らしを楽しんでいましたが、
甥っ子の隠し子騒動に巻き込まれ一肌脱いだりと 物語がテンポ良く進みます。
笑いと・涙、江戸の人情あふれた物語になっています。

心地よく読み終わりましたが
宇江佐真理さんが闘病中に書いていて最後に《未完》となっています。

こちらのエッセイは2013年4月発行です。
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時代小説を書くにあたっての苦労話(?)が書いていて
編集部の校閲から古地図と共に、訂正が入ります。
このページでは 江戸時代での深川と本所の位置関係を指摘されますが
深川在住の作家山本一力さんに尋ねたところ
『お前がさ、そこが本所だと思いたいなら、本所でいいんだよ。
おいら達は論文書いてる訳じゃないんだ、小説書いているんだからさ』
このアバウトな答えには 笑ってしまいました。

2016年10月石原さとみ主演のドラマ
”地味にスゴイ!校閲ガール 河野悦子”はとっても面白く見ました。
宇江佐真理さんは
『校閲がしてやったりとほくそ笑んでいるかと思えば、気が滅入る○○社の校閲なんて嫌いだ』
なんと正直な方なのでしょうか(笑)。

私がブログに載せる記事はこちらの本から・・・正確を期して。
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次はこちらを読もうと借りてきました。
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お雛様を飾りました。部屋の中が賑やかで明るくなりました。
お菓子は”菱餅”を 今風にケーキに・・・。
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こちらの商品は”おもしろ消しゴム”です。次回に紹介します。
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世界一ありふれた答え

=世界一ありふれた答え= 谷川直子著 2016年10月初版発行
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最近は本の感想が多いですネ。
理由としては、寒くて道路がスケートリンクになっていて
好きな散歩が思うように出来ないからです。

まゆこは大学の先輩だった 山田まさおと結婚して 市議会議員のまさおを
市長にする為に頑張っていましたが 急に離婚してほしいと言われます。
選挙事務所に出入りしていた若い女性との間に 子供ができたと言われたのです。
自分は夫のために子供もあきらめて ひたすら夫を応援してきたのに・・・。

そんなことに傷つき体を壊して行った病院で”ウツ病”と診断されます。
ところが カウンセラーの頼子先生は
『離婚したからと言って誰もがウツ病になるわけではありません』と言います。
ここからがまゆこと頼子先生とのバトル戦です(小説だからなのかもね?)。
『あなたは離婚を失敗だと考えているのですか?』
失敗だったと言うまゆこに
『失敗することはいけないことですか?』
なぜなら失敗することは 人の期待を裏切ることだと言うと
『では、人の期待に応えることは大切なことでしょうか?』
夫と愛人を悪党だと頼子先生に言って欲しかったまゆこに
『問題はだれが悪いではなく あなたのウツが治るように手助けをする役目なのです』

そんな時音楽家(ピアニスト)のトキオと出会います。
ジストニアという病気から 満足に手が動かなくなり 彼もウツ病になります。
ここからが面白い展開になり 題名の”世界一ありふれた答え”に物語が進みます。

私が興味深かったのは 頼子先生がまゆこに質問をして、その答えに対して
どうしてそんな考えが貴女を苦しめるのか?を 聞き出すところです。
物語の展開としては DVの親子を自宅に置いて シェルターに入れてあげたり
トキオにピアノを習ったりと 読んでいて心が温まる物語になっています。
まゆこ・トキオの心理描写が優れた小説になっていると思いました。

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本日のおやつは 五年生の孫が ネットで調べて一人で作った
”スィートポテト”です。甘さが程よくて、美味しい出来上がりでした。
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犬が来る病院

=犬が来る病院=2016年11月発行 大塚敦子著
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聖路加国際病院は日本で初めて小児科病棟に、セラピー犬の訪問を受け入れた病院です。
著者がおよそ3年半に渡り この取り組みを 取材しました。

4人の子供たちがこの本に登場します。
入院中であっても 子供たちが 豊かな時間を過ごせるよう また困難を乗り越えられるように
医師・看護師・保育士・心理士・チャプレン(病院で働く牧師)などの
スタッフたちで行われた取り組みを4人の子供たちを通して描いた記録です。
(二人の子供は退院できましたが 二人が亡くなりました)

こちらは2009年11月に発行された 写真絵本です。
(その後に =犬が来る病院=が発行されました。)
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元気な時には 学校に行きます。
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ひとりになれる場所だって、見つける。
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ちいちゃんは小学校1年生で白血病を発症します。
一度は退院出来ましたが再発して 今度はお父さんからの骨髄移植を受けるために
クリーンルームに入っています。
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体調の良い時には 病院内にあるチャペルでの日曜礼拝にも参加。
お父さんからの骨髄移植がうまくいかなくて もう治療の手立てがなくなります。
つらい治療で頑張りましたが・・・(本を読んでいる私もつらい気持ちでした)。

ちいちゃんはお母さんとチャプレンの所に行きます。
『一緒に入院していたお友達は、みんな元気になって退院できたのに
私だけまた具合が悪くなったのは どうしてですか?
私は何か悪いことをしたのですか?神様はどうして私を二度も病気になさったのですか?』

チャプレンのケビンさんは 切なさに胸が詰まります。
『どうして、ちいちゃんにこんな事が起こったのかは 私にも分からない 
でもはっきり言えるのは、ちいちゃんが何か悪いことをしたからじゃない。
ちいちゃんのせいじゃない』

それを聞いて、ちいちゃんとお母さんはボロボロ思いっきり泣きました。
『ちいちゃんが悪い子だから 病気になったんじゃないんだね
それが分かっただけでも良かった。』
小一で発症してから二年弱で ちいちゃんは天国へ召されました。

この二冊の本を
今悩んでいる子供たちにぜひ読んで欲しいです。
また学校の図書室にも置いて欲しいと思いました。
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赤ちゃんを抱っこして遊んでいるちいちゃん。

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