はこだて散歩日和(パッチワーク日和)

花のない花屋

=花のない花屋= 東信(あずままこと)著  椎木俊介・写真
2017年5月第一刷発行

初めのページに{花は心を語る}として フラワーアーティスト 東信の言葉です。
花は人が生まれて死に行くまで 我々の人生に常に寄り添っています。
何気ない日常から、出産祝い、誕生日祝い、結婚式、葬式に至るまで
私の仕事の原点は、そういった贈り手の気持ちを花に束ねることです。

花は「一日で10歳年を取る」と言われるほど時間が命です。
だから古い花から売ったり、余った花を捨てないように、
お店に在庫を置かないようにしました。
贈り手の意図を聞いてから、花を仕入れています。
それがオートクチュールの花屋、「花のない花屋」といわれるゆえんです。
         (この子の名前はミキちゃん リカちゃんの妹です)
CIMG2448.jpg

=滋賀の寺で副住職をする花好きの彼に=
彼と出会ったのは、彼のお寺で開催されたヨガのクラスに行ったのが始まりです。
初めて会った瞬間から、お互いに惹かれ合いました。(中略)
出会ってから一年もたっていませんが 結婚の話がとんとん拍子で進んでいます。
「今後も末永くよろしく」という気持ちを込めて 花を贈りたいです。

CIMG2485.jpg

この話をイメージして作った東信の「花束」です。
この本はこの様なアレンジの花100人の人生を綴っていきます。
CIMG2488.jpg

この本の表紙の花の物語です。
=病気とつきあいながら育ててくれた母に=
私は子供の頃、”普通のお母さん”に憧れていました。
母は時々パニックになって大声で叫んだり、
泣き出したり、モノに当たっりしていました。
私が小学校一年生の時に「境界性人格障害」と診断されました。
授業参観日では”変なお母さん”として友達にからかわれました。
今は障害者支援に関わる仕事についています。
この仕事で患者に接するうちに 本人も辛い思いをしていると気が付きました。
私たちに精一杯の愛情を注いでくれた母に感謝の花束を贈りたいです。

CIMG2489.jpg

CIMG2491.jpg

=闘病する母を支えてくれた高一の息子へ=
14歳の息子に私がガンであることを告知しました。
息子はただうつむいたまま、「わかった」と言い残し部屋に引きこもりました。
その日を境に、彼は何も言わずに黙々と掃除や洗濯などをやってくれました。
中学最後の野球の応援に行けない私に (副作用で髪の毛がない私に)
彼も丸坊主にしてきて「一緒だね」と笑わせてくれました。
大きな治療を終えて50歳の誕生日に「50歳まで生きていてくれてありがとう」の
メッセージと一本のガーベラをくれました。
そんな息子に感謝の気持ちを込めて 野球のチームカラーの菖蒲色を使ってください。

CIMG2492.jpg

=隠し子の秘密を抱え育ててくれた母へ=
先日、62歳の父に隠し子がいることがわかりました。
30年間母は私達に隠していました。父の隠し子と私が同じ年だったからです。
父が3年前にガンを患った時には 私は夫以上に父に愛情を注ぎました。
だから父の行為が理解できません。
30年もの間、重い秘密を一人で背負っていた母に花を贈りたいです。

(東信の言葉;お母さんは優しくて芯の強い方なのでしょう。
白とグリーンの上品なアレンジにしました。)

CIMG2493.jpg

=私の生活苦をそっと案じてくれていた父へ=
私は三姉妹の末っ子です。10年前に母が亡くなりました。
ある日、用事があって父に電話をしたら「お前も生活が大変だろう」と言われ
びっくりして、慌てて否定しました。数週間後銀行で通帳を記帳したら
5万円の振り込みがありました。一人で自営業をしている父にはどれだけ大金か。
そんな父に母の分まで長生きしてもらえるよう 
亡き母の好きな青い色のお花を入れてください。

(東信の言葉;男性は花をもらうことに慣れていないので、
華美になりすぎないように注意しています。
記憶に残るような瑠璃色でインパクトのある花束にしました。

CIMG2496.jpg
最初から最後まで贈り手の言葉を読むだけで感動していましたが
その言葉を想い、花をアレンジした東信の言葉が心に残りました。
関連記事

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する
 

エピソードとそれに合わせて見事にアレンジされた花さん。ぐいぐいと引きずり込まれるような迫力があったようですね。

AzTak | URL | 2017/08/05 (Sat) 06:52 [編集]


Re: タイトルなし

AzTakさんコメントを有難うございます。
皆さんのエピソードが小説以上で グイグイ引き込まれました。
その物語に沿うような「花束」が これまた「独特」ですね。

tugumi365 | URL | 2017/08/05 (Sat) 07:50 [編集]


🌸花のない花屋🌸

お一人お一人違うエピソード、
ご紹介下さったものを読ませていただいただけでも、胸に沁みました。
胸に広がる余韻に、お花の写真が合わさり、写真集とは違った世界が広がる気がします。是非読んで見たいと思います(^^)いつも素敵な本をご紹介下さり、ありがとうございます
(^_^)ところで、リカちゃんにこんなに可愛い妹がいたのですね!衝撃です!

はこやん | URL | 2017/08/06 (Sun) 17:14 [編集]


Re: 🌸花のない花屋🌸

はこやんさんコメントを有難うございます。
そうなんですよ!!リカちゃんに妹がいたのですよ!!
洋服を作ってあげたいのですが あまりにも小さくて難しいです。
「花のない花屋」それぞれの物語が凄すぎて感動しました。
でもね 私ならこの様な芸術的な花束より「普通」ので良いです。

tugumi365 | URL | 2017/08/06 (Sun) 18:35 [編集]